らいすたのための予備知識の解説

プラグマティズムにもいろいろある

こんにちは、京極(@MaKver2)です。

いろんな人が指摘しているように、作業療法はプラグマティズムが哲学的な基盤です。

プラグマティズムと一言であらわしても、いろいろあってなかなかややこしいです。
プラグマティズムの変遷
初期のプラグマティズムについて詳しく知りたい人は以下の文献がおすすめ。

1月17日のらいすたに向けて、ざっくり解説しておくと、プラグマティズムの提唱者はチャールズ・サンダース・パースで、彼のプラグマティズムは基本的に論理学の方法でした。

パースは6才の頃から数学者だった父の英才教育で実験科学に取り組み、8才で化学者、10才で数学者、13才で論理学者だったという天才です。

彼の学問観は、数学と実証学(哲学と専門科学)があって、哲学は現象学と規範学(論理学、倫理学、美学)と形而上学、専門科学は自然科学と精神科学に分類されます。

で、パースのプラグマティズムは、論理学の格率としてまず登場するわけです。

パースについて詳しく知りたい人は以下の文献が断然おすすめ。

パースの議論はその後どんどん深化を遂げていきますが、しかし当時は20年以上ほぼ無視されました。

世界的に注目されるきっかけを作ったのは、ウィリアム・ジェームズです。

彼はすでに心理学者として世界的に評価されていました。

その彼が講演でパースのプラグマティズムを自分なりにアレンジして紹介したのです。

講演は書籍化されており、大きな影響を今なお与えています。

らいすたで解説しますが、このアレンジは無視できない異なる論点を含むもので、プラグマティズムは世間的に注目されたそのときから多元的な展開を見せることになりました。

デューイは学生時代にパースの講義を受けていましたが、関心をもてず、実はアレンジされたジェームズのプラグマティズムから入って、晩年になってパースのプラグマティズムを発展的に継承し、自身の哲学を深化させました。

デューイのプラグマティズムはパースとジェームズのプラグマティズムを発展的に継承しつつ、彼一流のしかたで独創的なもへと展開しています。

作業療法はジェームズとデューイのプラグマティズムの影響を受けていますが、こうした多元的な展開を見せるプラグマティズムをダイレクトに引き受けています。

このズレが見えないと、作業療法の理論研究でプラグマティズムに迫ってもいまいち意味がくみ取れません。

この後、論理実証主義の台頭にともなって、プラグマティズムは一旦下火になり、1950年代からネオ・プラグマティズムが台頭してきます。

ネオ・プラグマティズムは論理実証主義の内部崩壊を引きおこしたクワインとクーンの議論を下地に、ローティがパワフルに発展させていきました。

ローティはデューイ、ウィトゲンシュタイン、ハイデガーの哲学を特に評価し、連帯、自文化中心主義などといった独特な切り口でネオ・プラグマティズムを展開しました。

実は、先行研究をみると、ネオ・プラグマティズムと作業療法の接点は今のところ顕在化していませんが、現代作業療法で文化に適応した実践を強調しはじめているのはこれの影響が強いと解釈する人がでてくるだろうと考えています。

2000年代からネオ・プラグマティズムの次の潮流も大きくなりつつありますが、これはネオ・プラグマティズムに比べてもさらに作業療法との関わりが見えにくくなっています。

プラグマティズムの全体の経緯は以下の文献が詳しいです(もちろん作業療法についてはでてきません笑)。

ただ、新しいプラグマティズムは、パースのプラグマティズムの再評価という柱をひとつにもっているので、その流れのなかで、ジェームズ、デューイに脚光が当たって、作業療法の哲学的基盤の意味がさらに深まるということは起こりえるだろうと思います。

1月17日のらいすたでは、こうしたことも踏まえながら作業療法の哲学的基盤について入門的解説を行いまする。

お楽しみに。

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