多職種連携と対立の種類



多くの研究が示している通り、多職種連携では大小さまざまな対立(conflict)が生じています。

ぼくたちが研究する信念対立もそのひとつです。

が、広く対立研究という視点でとらえると、課題対立(task conflict)、過程対立(process conflict)、関係対立(relationship conflict)という種類が一般的です。


課題対立というのは、例えば、緩和ケアチームはどのような目的で実施すべきか、とか、リハビリテーションチームではどのような療法を導入すべきか、などのように、連携で目指すべき方向性で意見が食いちがうことです。

過程対立とは、例えば、それはあなたの仕事ではない、とか、チームの一部に負担が大きい、などのように、連携のプロセスで諍いが生じる状態です。

関係対立とは、例えば、価値観があわない、とか、性格的に受け付けられない、などのように、人間関係でトラブルが生じるような状態です。




多職種連携ではチームワークの重要性が説かれますが、そのポイントは皆で一致団結して頑張ろうではなく実のところ「多様性の尊重」です。

チームメンバーの意見の違いは、多職種連携のパフォーマンスとアウトカムの向上の源泉なのです。

しかし、そうなるためにはチームメンバーの多様性が相互に承認されなければなりません。

それがなかなか難しいようで、実際には意見の違いが対立を生み、それが多職種連携の劣化につながります。

もちろん、先行研究のメタ分析をみると、課題対立は多職種連携のパフォーマンスの改善に役立つこともあります。

しかし、過程と関係の対立は多職種連携のパフォーマンスやアウトカムに関係なく、チームメンバーのwell-beingを損ねることがわかっています。

われわれは多職種連携で生じる対立の種類を理解し、チームメンバーの多様性を尊重しながらそれのパフォーマンスとアウトカムの改善に努めるようにしましょう。