作業科学を学びたい人のための書籍5選



作業科学は哲学と科学を駆使して、人間の作業に関する知見を創出する学際領域です。

作業科学は学際性が非常に豊かな領域なので、内容が多岐にわたって難しいけどすごい面白いんですよ。

でも、作業科学が学べる機会は限られています。

以下に、作業科学を学びたい人にオススメの書籍を紹介しておきます。

関心がある人はバリバリ独学してくだせー。

1.「作業」って何だろう 作業科学入門

和書で一番のオススメは、本書です。

すでに読んでいる人が多いでしょう。

日本の作業科学の第一人者が書いているだけあって、とてもわかりやすいしバランスのよい内容です。

予備知識ゼロでも学べるので、入門書で本書の右にでるものはないと思います。



2.An Occupational Perspective of Health

本書の和訳がないのは、日本の作業療法にとって損失だと思うぐらいの名著です。

WHOの議論を下地にしつつ、作業とは何か、健康とは何か、well-beingとは何か、など、作業科学の重要用語を解き明かしながら、作業科学と作業療法を接続していきます。

また作業と進化についても論じており、人類の発展に作業が重要な役割を果たしたことが理解できます。

また作業的公正のためのアプローチの議論もあって、これからの作業科学を考える上で重要な論点を提供しています。







3.Introduction to Occupation

本書はすでにこのブログで何度か紹介しています。

本書は、作業について深く強く論じています。

作業という概念の意味の変遷、人間の健康やwell-beingを構成する作業の条件、作業中心の研究の要件など幅広いトピックを厚く論じています。



4.Occupational Science for Occupational Therapy

作業科学のルーツから現代的展開まで幅広くカバーしています。

膨大な先行研究を厳密に引用しながら論じているので、作業科学の知識だけでなく、効果に関するエビデンスも同時に知ることができます。

とにかく文献レビューがしっかりしているので信頼できる内容になっていると思います。
作業に根ざした実践(occupation based practice)で作業科学を活かしたい人は必見です。


5.Occupational Science: Society, Inclusion, Participation

包括的な文献レビューで書かれた本です。

面白いのは、貧困、反社会的活動、高齢化などといった問題について、作業科学の観点から論じているところです。

つまり作業的観点から社会問題を論じているわけです。

Whitefordさんはoccupational deprivationという新しい概念を提案した人だけあって、本書もその独創が十分に活かされています。

作業科学の可能性を学べます。



番外編.ひとと作業・作業活動 作業の知をとき技を育む 新版

厳密には、作業科学という枠組みに入らないのかもしれませんが、作業について考えたい人にとって本書は必読です。

いや、作業科学が作業の本質を問う領域であるならば、本書はれっきとした作業科学に関する書籍だと言えます。

ぼくの理解では、作業科学の懐はとっても広いです。

さて、ぼくは本書の初版からのファンで(笑)、本書では現象学的思考を駆使しながら作業の本質を解明しています。

新版では、脳科学や社会学などの議論を経由しながら論じているため、これまで以上に豊かな内容であると思います。
 

以上、オススメ書籍ですが、内容が難しいので理解がしにくい場合は、以下のblog記事を参考に読解してくだせー。