「作業ができる」と「作業に関わる」



作業療法では、クライエントの健康や安寧を促進しうる①作業ができること(enabling occupation)、②作業に関わること(engaging occupation)を重視しています。

このことをもっとも強調しているのはCMOP-Eですが、特定の理論だけが重視すればよいというものではなく、作業療法一般で理解されたほうがよい概念だと思います。

作業ができる(enabling occupation)とは、クライエントの健康と安寧に肯定的な影響を与えるような、作業を実際に遂行できることです。

例えば、パソコンを使ってアプリを作りたいクライエントが、パソコン操作のために環境調整したり、プログラミングの技術を学習したりしながら、実際にそれができるようになれば作業ができる状態であると理解できます。


作業に関わる(engaging occupation)とは、クライエントの健康と安寧に肯定的な影響を与えるような、作業に何らかのかたちで関与しているという状態です。

実際にできるかどうかは問いません。

例えば、釣が好きなクライエントが諸事情でそれができなくなったときに、代わりに金魚の観賞をはじめるというのは、これにあたります。

作業に関わるという視点はひろく、現実に作業ができなくても、その人らしい作業につながっていればよいという話です。

作業療法のポイントは、作業を通して健康と安寧を高めることです。

作業ができる(enabling occupation)作業に関わる(engaging occupation)は、作業療法のポイントを実質化するうえで役立つと思うので、ぜひマスターしておきましょう。