目で見てわかるラッシュモデルと項目反応理論

下図は、まったく同じ多値データを、ラッシュモデルと項目反応理論で別々に解析した結果です。 学生から「『ラッシュモデルは項目の困難度のみ推定し、項目反応理論(の2PL以上)は項目の識別力と困難度を推定する』という言説の意味が理解しにくい」と言われたので、感覚的に理解しやすくする...

図解 Rでラッシュモデル:eRmパッケージ

※ Rコードが文字化けしていました.ご指摘を受けて気づきました.教えてくださってありがとうございます.ご迷惑をおかけしてすいませんでした.(2016年11月21日) ラッシュモデルの質問を受けることが続いているので、Rでラッシュモデルをちょびっと試してみた。 Stanで...

MplusでIRTとラッシュモデル

Mplusの項目反応理論(IRT)は、構造方程式モデルのカテゴリカル因子分析で実行します。 で、通常のIRTの2パラメータロジスティック(2PL)は以下の記述で実行できます。 MODEL: f BY a1-a30*; f@1; ラッシュモデルは、IRTの2P...

質的研究の理論的飽和度という方法

私の研究指導の経験上、理論的飽和は単なる「 行き詰まり 」に過ぎないことが多いです。 データ収集と分析を繰り返していると、煮詰まってしまって、思考が停止することが少なくないんです。 しかし、大学院生と一緒に考えはじめると、すぐに新しい結果がでてきたりします。 関心...

質的研究は目的に応じて使いわける

質的研究というと、とっつきやすいのはGTAやKJ法でしょうけど、本当は 目的に応じて使いわけることが大切 です。 ぼくたちの研究室では、質的研究もいろいろ進めています。 そのいくつかは研究論文として公表しています。 その経験を踏まえると、質的研究を目的別に使いわけ...

質的研究の質を高めるためにCOREQを活用しよう

ランダム化比較試験の質を高めるために、CONSORT声明が提案されています( 1 )。 これによって、ランダム化比較試験の報告の質が改善することが確認されています( 2 )。 このことから、研究の質を高めるための声明は、適性に運用したら研究論文の質の改善につながりそう...

院生指導で意識していること

大学院の研究指導は、本当にエネルギーを要します。 現在、ぼくは博士課程で5名、修士課程で5名の社会人院生を主指導しています。 臨床と研究に同時に取り組めるわけですから、基本的によくできる人たちです。 そういう人たちでも、しっかりしたレベルで研究を行えるようになって...

作業療法は多職種に理解されにくいは本当か

ぼくは作業療法そのものが多職種に理解されにくいのではなく、作業療法士による作業療法の「 説明 」が多職種に理解しにくいのではないか、と感じることがあります。 作業療法士は、作業療法という方法の専門家です。 それゆえ、「作業療法って何?」と聞かれると、作業療法という方法...

事例研究のポイント

事例研究は、真面目にやるとかなり大変です。 なぜなら、 事例研究のポイントは個別の事例から一般化できそうな仮説(法則)を抽出する 、という非常に高度でアクロバティックな知的営為に求められるからです(いろんな解釈がありますけど)。 事例研究は「研究」である以上、大なり小...

重い時間

臨床は答えのない出来事がいっぱいあります。 ぼくが作業療法として歩みはじめた頃、直面したのは「何もしたくない」「このまま死にたい」と訴える方との重い時間でした。 作業療法は、意味のある作業へ関わる機会を作ったり、作業ができるようになることによって、その人の健康状態を改...

嫌い嫌いも好きのうち?

人生は短いです。 歳を重ねる毎に時間の流れが早く感じますから、その思いはだんだん強くなります。 では、ぼくたち人間は何のために生きるのか。 それはきっと楽しむためです。 そう考えると、ぼくたち人間は基本的に嫌なことは先延ばしにして、好きなからやった方がよいとい...

APO論文が掲載されました!

学術誌『作業療法』第35巻第5号に研究論文「 Well-beingを促進する作業への関わりの程度を評価できる等価尺度の開発 」(野口卓也、京極真・著)が掲載されました! 野口さん、おめでとうございます!! 本論では、作業療法界において国内外を通してほとんど類を見ない「...

感情的に荒々しい査読コメントを書きそうになったら

査読の研究にはいろいろあります。 以前調べた論文なので、ちょっと古いですけど、以下のような内容があります。 例えば、査読の所要時間は1論文あたり3時間程度でよく、それを超えても査読の質は向上しないという報告があります。 http://jama.jamanetwor...

平成28年度作業療法学研究法演習 研究論文発表会プログラム

本日は作業療法学科の卒論発表会でした。 本学では、多くの作業療法研究が共同研究で行われるので、基本的にグループで1つの研究テーマを探求します。 本年度発表された研究のお題は以下の通りです。 リワードの呈示時間の違いが立位バランスに与える影響:ランダム化比較試験 ...

作業的プロフィール

作業療法の役割は何でしょうか? サクッと言っちゃえば、それは作業で評価し、作業で介入することです。 もうちょい丁寧に表現し直すと、仕事・遊び・日課・休息でクライエントの状態を評価し、その結果を踏まえて最適化した仕事・遊び・日課・休息で健康と安寧の状態を改善するために介...

態度はどう教えるか

教員になってずいぶん立ちますが、教えるって本当に難しいなぁと感じます。 なので、教え方の勉強もいろいろするわけですが、最近読んだ本で良かったのは以下の2冊です。 教え方のポイントを明瞭に示しているので、読者の困りごとにわかりやすく答えてくれる内容になっています。 ...

哲学の動向

岡本裕一朗さんの『 いま世界の哲学者が考えていること 』を読みました。 感想を一言で表せば、推薦図書です。 本書は哲学のレビュー書であり、哲学という方法が、いま現に生きている世界を原理的に解明するという使命をもって、現代も活発に息づいていることがよく理解...

気分存在であること

「気分や感情で物を言うな」という人が後を絶たないように、とかく気分(感情)は理性に比べて軽視されがちです。 しかし、この主張の前提には「 合理性/非合理性 」の対立図式がある、と正しく見抜いたのは、ハイデガーです。 彼は、38歳で発表した主著『存在と時間』のなかで、人...

機械化に負けない仕事にみる壮大な物語

作業療法は 機械化に負けない仕事 の上位にランキングされる、という話を聞くと、ぼくは開発者たちが100年以上前に込めた意図を思い出します。 当時、産業革命は、機械工業によって近代化を推し進めたものの、その反面、人間らしい生活が疎外されるという問題をもたらしました。 開...